松田翔太・慶喜の心境やいかに?西郷どん26話「西郷、京へ」ネタバレ無しの感想
今回から「西郷どん」は、新たな局面に向かっていきます。
気がつけば放送開始からもう半年を過ぎ、ちょうど折り返しの時期ですからねー。
そしておそらくここから3ヶ月で倒幕まで進み、その後の3ヶ月を使って「日本国内最後の内戦」である西南戦争を描いていくのでしょう。
ていうか西郷隆盛の人生、超やばいですね。ずっとドラマチックすぎるというか。
面白すぎです。
ということで、この記事ではそんなあらたな局面を迎えたNHK大河ドラマ「西郷どん」の第26話「西郷、京へ」をネタバレ極力なしでレビューしていきます。
まずは今後の重要人物全員?登場
さてドラマが始まっていきなり、今後の重要人物が登場していきます。
そのメンバーは、
- 岩倉具視(笑福亭鶴瓶)
- 勝海舟(遠藤憲一)
- 坂本龍馬(小栗旬)
ですねー。
正直、小栗旬以外の配役は意外でした。
岩倉具視のイメージからすると、僕の中での適役は相島 一之でしたねー。
三谷幸喜が手がけた大河ドラマ「新選組!」で、壬生浪士組の新見錦を演じてましたよね。大好きでした。
勝海舟も、新選組!の野田秀樹のイメージ。江戸言葉と都会的な雰囲気が日てましたねえ。
坂本龍馬役の小栗旬は、違和感なかったです。いいと思う。
さて、この三人の他にもうひとり超重要人物がいるはずです。
しかし今回の放送では(ほとんど)登場しませんでした。
それは、長州藩の桂小五郎です。西郷とは「薩長同盟」の当事者として人生が交錯していきます。
演じるのは、公式サイトにも掲載されている通り「玉鉄」こと玉山鉄二。
個人的な感想ですが、竜馬同様違和感ない感じはありますねー。
しかし僕が感じた違和感のある、岩倉と勝も、おそらく回を重ねる毎に馴染んでいくのでしょう。
「大河は好きだけど歴史はそこまで詳しくない」というあなたに、公式サイトから彼らのプロフィールを引用しておきますね。
岩倉具視(笑福亭鶴瓶)
下級の公家でありながら、孝明天皇の信頼を得て朝廷を動かし、西郷、大久保らと協力して幕府を倒し、明治新政府を設立させる。逆境の中から、和宮降嫁(かずのみやこうか)や王政復古などを実現させた類いまれな策謀家であり、時流を見極める冷徹な目と、ユーモアと大胆な行動力を持ち合わせた傑物公家。岩倉の存在なしには、明治維新は実現できていない。
坂本龍馬(小栗旬)
言わずと知れた幕末の風雲児。常識破りの行動力と折衝力で、縦横無尽に動き「船で大海原を自由に飛びまわり、広い世界で商売をしたい!」と夢を抱く快男児。西郷と出会い、互いにその存在を認め合い鹿児島の自宅にも招く。けれど、徳川慶喜を温存しようとする龍馬は討幕派にとって邪魔者になっていく。
勝海舟(遠藤憲一)
広範な知識と大胆な行動力を兼ね備えた幕末の傑物。微禄の旗本から江戸幕府を代表する人物となり「江戸城無血開城」を果たす。海軍操練所の教授として航海術だけでなく諸外国の知識を若き志士たちに授けた。幕府の閣僚でありながら西郷や龍馬たちに「もう幕府は終わりよ」と新しい政治体制の必要性を説く。「幕私」を捨て「公共の政を為す」が政治思想。
桂小五郎(玉山鉄二)
長州を代表する志士で、維新三英傑の一人。藩校明倫館で学び吉田松陰に師事。剣術にもたけ江戸修行時代にペリー艦隊の来航を体験。以来、西洋のすぐれた技術や学問を貪欲に学ぶ。長州藩の中心人物となり新撰組にも命を狙われるが、過激な挙兵へと気運高まる長州藩において慎重な態度をとる。薩長同盟の中心的役割を担い、明治新政府の中枢となる。
徐々に変わりゆく薩長の関係
西郷が沖永良部島に流されている間に、日本の情勢はどんどんと変わっていきます。
まず、生麦事件が発生してしまいます。これは島津家の行列を英国人が見出したとして、薩摩藩士が英国人を殺傷するという事件でした。
これにより「薩英戦争」が勃発。圧倒的ふりかと思われましたが、先君・島津斉彬による軍備の近代化によって、なんと防衛に成功してしまいます。
発言力の増した島津久光ですが、京都では相変わらずうまく立ち回ることができずにいました。
そんな中、以前はそれほど仲が悪いわけではなかった薩摩藩と長州藩の関係にも「八月十八日の政変」を経て変化があり、薩摩藩は長州から恨まれてしまうのです。
方や政治はどうなっていたかと言うと、「参預会議」による合議制の政治体制がとられていました。
この参与会議の構成員はこちら。
- 徳川慶喜(一橋徳川家当主、将軍後見職)
- 松平慶永(越前藩前藩主、前政事総裁職)
- 山内豊信(土佐藩前藩主)
- 伊達宗城(宇和島藩前藩主)
- 松平容保(会津藩主、京都守護職)
- 島津久光(薩摩藩主島津茂久の父)
しかし諸大名の足並みが揃わず、わずか4ヶ月ほどで崩壊してしまいます。
西郷が京都に戻ってくるタイミングというのは、こんな時期だったんですねー。
このあとに「禁門の変」が勃発。長州と薩摩の対立が決定的となってしまいます。
これは次週でしっかりと描かれるはず。
一橋慶喜の思惑は?
今回の放送では、「ひーさま」こと一橋慶喜(松田翔太)の揺れる心模様がしっかりと描かれていましたよねー。
「誰が敵で、誰が味方かわからない」という本音を漏らしていました。
そして最後の西郷と対面するシーンでは、非常に意味深な描写も。
歴史的には今後完全に対立していく薩摩と幕府なので、その布石とも言える演出だったのでしょうね。
一橋慶喜は戊辰戦争の「鳥羽伏見の戦い」の際には、戦う幕府軍を置いて大阪から江戸に逃げ帰ってしまうなど、リーダーとしてはありえない行動を取ってしまいますが、どのように描かれていくのか非常に興味深いです。
僕的にはこの「西郷どんの慶喜」、非常に好感を持ってみております。
薩摩や長州、土佐などの田舎言葉を使っている志士たちに対して、非常に洗練されているように映る江戸言葉を使う慶喜。
ひーさまと呼ばれて町屋で遊ぶなど、「暴れん坊将軍」の吉宗的な描かれ方もしていますよね。
演じる松田翔太も適役。スッキリした顔立ちも、実際の慶喜を思わせなくもない。
倒幕をもたらす戊辰戦争後も余生を楽しみ続けるなど、西郷どんで描かれる慶喜は非常にイメージに合っていると思います。
島津久光が憎めない!
個人的な意見とはなりますが、僕は島津久光(青木崇高)が非常になんですよねー。
悪役的に描かれていますし、実際に西郷とも事ある毎に対立。
しかし史実ではどうなのでしょう。
西郷の久光に対する態度は、正直下級藩士としてはありえないものであるのは事実。
「西郷どん」では主人公・西郷を際だたせるために悪役として描かれていますが、それだけではない一面を持っているのでしょう。
青木崇高がいい!
この久光を演じる青木崇高、僕は大好きなんですよねー。
初めて知ったのは、おそらくNHKの朝の連続ドラマ小説「ちりとてちん」だったと思います。
ちりとてちんは関西の上方落語界を描いたドラマ。めちゃくちゃ面白いので見てほしいんですけど、青木崇高は貫地谷しほりの相方役としてめっちゃいい演技してます。
その後、NHK大河「龍馬伝」で、土佐藩の後藤象二郎を演じていますね。
この後藤役、正直「ちりとてちん」の青木崇高を想像していた僕からすると、なかなかしんどい役回りでした。
ぶっちゃけ今の久光役と合い通じるというか、割と悪役っぽく描かれているんですよ。
でもしっかりはまり役にしちゃってましたね。体型も、今の久光同様大きくしてましたし。
このあたりにも役者根性を感じるところではあります。
次回は「禁門の変」!
さて、次回の西郷どんは「禁門の変」を描きます。
禁門の変とは、長州藩が失地回復を狙ったクーデターで、薩摩や会津を中心とする幕府側がこれを阻止するという事件です。
これが直接倒幕へとつながっていきます。以下wikipediaからの引用です。
前年の八月十八日の政変により京都を追放されていた長州藩勢力が、会津藩主・京都守護職松平容保らの排除を目指して挙兵し、京都市中において市街戦を繰り広げた事件である。畿内における大名勢力同士の交戦は大坂夏の陣(1615年)以来であり、京都市中も戦火により約3万戸が焼失するなど、太平の世を揺るがす大事件であった。
大砲も投入された激しい戦闘の結果、長州藩勢は敗北し、尊王攘夷派は真木保臣ら急進的指導者の大半を失ったことで、その勢力を大きく後退させることとなった。一方、長州掃討の主力を担った一橋慶喜・会津藩・桑名藩の協調により、その後の京都政局は主導されることとなる(一会桑政権も参照)。
禁門の変後、長州藩は「朝敵」となり、第一次長州征討が行われるが、その後も長州藩の政治的復権をねらって薩長同盟(1866年)が結ばれ、四侯会議(1867年)においても長州藩処分問題が主要な議題とされるなど、幕末の政争における中心的な問題となった。
そして、なんとプロレスラー長州力が「来島又兵衛」役で登場。
今後薩長を中心として時代がどんどん変わっていくさまが描かれていきます。
西郷が明治期まで活躍したこともあって、正直ここまでスピード感のある幕末の描かれ方をした大河も少ないのではないでしょうか。
次回を楽しみに待ちましょう!
長州の過激派が兵を挙げて、京に押し寄せようとする中、一橋慶喜(松田翔太)は長州を討つ準備を進めていた。そんな時、長州の行く末に危機感を抱いた桂小五郎(玉山鉄二)が、吉之助(鈴木亮平)と接触し慶喜との会談を求める。吉之助は桂を信用し慶喜に長州との戦を避けよと提案するが、慶喜暗殺をもくろむ「人斬り半次郎」と呼ばれる薩摩藩士(大野拓朗)の存在を耳にする。そんな時、長州藩士が集結する池田屋を新選組が襲撃。事態は急変する。